節分の時期によく見られるようになった「恵方巻き」。いつの間にか「節分といえば”恵方巻き”」みたいなイベントになりつつありますが、私たちが子供の頃に食べた記憶はないし、個人的には20年くらい前に「恵方巻き」という言葉を初めて聞いたという記憶があります(当時関東居住)。恵方巻きについて、いつから、どこで始まったのか疑問に思ったので調べてみました。
節分に食べる恵方巻きの由来とは?
そもそも恵方巻きとは
恵方巻きとは
・ 太巻寿司のこと。
・ 節分にその年の歳徳神(としとくじん)という神様のいる場所を向いて食べると縁起が良いとされている。
・ 恵方に向かって一本丸ごと丸かぶりすることから「丸かぶり寿司」「丸かじり寿司」とも呼ばれる。
・ 食べる風習そのもののこと。
・ 商業イベントでもある。
・ 「恵方巻」という名称は、セブンイレブンが「恵方巻き」として全国発売したことにより広まった。
とのことです。
最近は商業イベントの色が強いイメージがありますね。
由来について
起源についてですが、諸説あるようです。
説としては、江戸時代からのものが多く、場所は大阪から始まっているようです。
・ 大阪の花街で節分をお祝いしたり、商売繁盛を祈ったりしたのに始まったする説。
・ 大阪の商人による商売繁盛・厄落とし・縁起担ぎ・願い事の祈願事として始まったという説。
・ 大阪近郊の村で巻き寿司を食べる時に、切り分ける手間を省くために一本丸かぶりをしたというのを発祥とする説。
〜wikipediaの要約〜
海苔巻き自体の存在が江戸時代中期からしか確認できないようなので江戸時代以降のものであることは確かと言ってよさそうですね。
恵方巻きが全国的に広まるまでには鮓組合などにより何度も何度もイベントとしての宣伝がされているようです。
中には土用の丑の日に対抗したというような話もあります。
由来は諸説あり、それに乗っかった商業イベントとして促進されてきたようです。
諸説の中には花街の遊びといったものもありますが、花街の遊びが「願い事が叶う」につながることは考えにくいと個人的には思っています。
節分に恵方巻きを食べてた人って本当にいるの?
「恵方巻き」という名前ではなかったようですが、節分の日に巻き寿司を食べていた方々はいるようです。
「40年ほど前から食べてました。本当に無言で食べてたんですよ」
「丸かぶり寿司なら知ってるけど恵方巻きは知らなかった」
「大阪に転勤した時に先輩に食べさせられた」
という方もいらっしゃるようですし、小説にも出てくるようです。
「節分の夜に、家族そろって、巻き寿司を、一本ずつ、無言で食べると、その年は無病息災で過ごせるという言い伝えに、私たちは従っている。」
参考:小林信彦「唐獅子源氏物語」
また、大阪の此花(このはな)区は「巻き寿司の丸かぶり」発祥の地として町おこしをしています。
此花区での伝説としては「巻き寿司を切り分けていては間に合わず「腹がすいた。切らずにそのままおくれ」の声が高まり、丸かぶりするようになったのが発祥」と言われているようです。
まとめ
商業イベントとして広まった認識が強い”恵方巻き”。商業イベントとして少し嫌悪感を抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、本質には昔から食べている方々がいて、ちゃんとした習わしがあるので、恵方巻き(丸かぶり寿司)そのものの文化・風習を否定するのは考えものです。
恵方巻きも今のような過渡期を経て、バレンタインやホワイトデー、ハロウィンのようなイベントとなっていくことでしょうから、せっかくなら一イベントとして楽しめればと思います。